諺-ことわざ

げいはみにつく

一度きちんと理解し習得できた技術や技能は
その人に問ってずっと使い続ける事ができる財産であるという事。

身についた知識や技などは一生の宝であるという事。

財産や地位や人などはその時の隆盛により離れていくものであるが
自分が覚えた技能はいつまでも自分から離れる事はないという事。


財を積む千万なるも薄芸見に賄うに如かず

• 身につく（みにつく）

熟練し自分のものとなる事。
知識や技術などを自由自在に適した場面で使える事。

げいはみちによってかしこし

どんな分野の事であっても
その道の専門家が一番いい方法を知っているという事。

学問であっても技術であっても
それを長い事修練したものはそのジャンルには精通しているという事。


芸は道によってくわし
餅は餅屋酒は酒屋
海の事は舟人に問え
馬は馬方
田作る道は農に問え琴は座頭に習え
性は道によりて賢し
蛇の道はへび

• 芸（げい）

修練を積んで得た技能。
技術や学問などを身につけて精進させる事。
修練を積みそれが優れたものであると周りから評価されると職人芸と称される。

げいにんにとしなし

芸人は心がいつまでも若く
またどんな役にも挑戦するので年齢を感じさせないという事。

この場合の芸人とは俳優や演劇、落語や手品など伝統的な芸をする者の事で
お笑いタレントなどは芸人の中の一つなので
間違いではありませんが
芸人＝お笑いタレントの事と考えると少し違うかもしれません。

• 芸人（げいにん）

演芸を職業としその道に通じる人。

けいせつのこう

灯りになる物を買うお金がないので
夜に飛ぶホタルの光や
月明かりが雪に反射した光などで勉強する事。

非常に苦労をしながら勉強をする事。


蛍の光窓の雪
蛍を集め雪に映ず
蛍窓雪案
車蛍孫雪

• 螢雪・蛍雪（けいせつ）

苦しい思いをしながら勉強をする事。

中国の晋の時代、とても貧しい二人の青年が
夜に本を読むためにつける灯りの灯油が買えず
1人は夏の夜にホタルをたくさん捕まえ絹の袋に入れ
もう1人は冬の夜に窓辺に雪を積み上げて雪明りで勉強をしたことから。

けいせいにまことなし

遊女は客商売として優しくしてくれるので誠意を求めるのは無理だという事。

遊女は浮かれた男性に対し商売で接しているだけなので
誠意や好意などで接してくれているのではないという事。

客商売の者は仕事のため愛想よくしているのであって
利害関係でつながるものに真心などを求めてはいけないという事。


傾城に誠あれば三十日に月が出る
傾城の誠と卵の四角なのはない
傾城の胸は嘘のいれ物
傾城の千枚起請
傾城の空涙

• 傾城（けいせい）

遊女。
もともとは美人の事をそう呼んでいて
美貌によって国を亡ぼすほどの寵愛を受ける傾国（けいこく）が語源とされる。

• 誠意（せいい）

まごころ。
物事に熱心に取り組む気持ち。

けいせいかいのぬかみそじる

自分の遊びなどにはいくらでもお金をかける人が
普段は必要な物でも節約して生活している事。

遊女遊びなどで多くのお金を使い豪遊するものが
普段の生活では味噌を買うのをケチって
糠味噌の糠の汁を食べるような質素な生活をしている事から。

また、外に出て奢ったりと気前の良い人は
家の中の事にはお金を出さないという事。


傾城買草鞋を拾う
女郎買の尻切草履
女郎買の糠味噌汁
博打打の千切れ草履

• 傾城（けいせい）

遊女など男性に性的サービスをする女性の事。

• 糠味噌汁（ぬかみそじる）

古くなった糠味噌を味噌の代わりに使用して作った品質の良くない汁。
現代の米ぬか入りの味噌汁とは違い
糠味噌汁はほとんど味がなく色だけついているようなものだそうです。

げいじゅつはながくじんせいはみじかし

人の命は短いものだが
その人の残した芸術作品は長く人々に愛されるものであるという事。

命は短く限られているものなので
その限られた時間を無駄にせず長く愛される偉業を残せるよう
惜しみなく精進するのがよいという事。

けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ

大きな集団の末端にいるよりは
小さな集団の先頭にいるのがよいという事。

これは大きな組織のずっと後ろのほうにいても
自分の意見などは何も反映されることがないので
小さな組織でも先頭のほうにいたほうが
自分の意見が反映され自分で進む方向を決められるという事で
制約などあまり関係なく自分の考えを自由に言えると考えです。

鶏口とは鶏の口先の事で牛後とは牛のお尻の事で
体の大きな牛のお尻にいるよりは
体が小さな鶏の口ばしのほうが行先を決める事ができるという事から。


大鳥の尾より小鳥の頭
鯛の尾より鰯の頭

• 勿れ（なかれ）

なしの命令形でしてはいけないという事。
～をやってはいけないなどの意味。

けいぐんのいっかく

多くの凡人の中に飛びぬけて優れた人が混ざっている事。

鶏の群れ中に一羽の鶴がいるという事で
一目見て背の高さや大きさが違うことがわかる事から。


野鶴の鶏群にあるが如し
はきだめに鶴
万緑叢中紅一点

• 万緑叢中紅一点（ばんりょくそうちゅうこういってん）

多くの男性の中に一人だけ女性がいる事。
緑の草木が多く茂る中で一輪の紅色の鮮やかな花が咲いてるという風景から
美しく際立っている事。

げいがみをたすくるほどのふしあわせ

経済的な余裕がある時に趣味で始めた芸を
落ちぶれて生活に困ったときに生活の為に披露する事。

お金と時間が有り余っているときに覚えた趣味が
生活に余裕のなくなったときに生活の基盤になってしまう事。

• 不仕合せ（ふしあわせ）

不幸せの事。
めぐり合わせの悪い事で
本来《幸せ》とは
為る＋合わせるで《為合せ》であったものが
仕＋合わせると変化し《仕合せ》となったもの。