諺-ことわざ

すむばかりのめいしょ

他の所に住んでいる人から見ると
とても住み心地がよく羨ましく思うが
実際に住んでみるとそれ程でもないという事。

また、有名な名所であっても
そこに住む人にとっては普通の日々の暮らしがあるだけだという事。

• 名所（めいしょ）

他所とは違う特定の特徴があり有名な場所の事。
通常は風景や史跡などのような心惹かれるような場所を指すが
事故多発や自殺などのネガティブな名所なども存在する。

すみはがきにすらせふではおににもたせよ

墨をする時には力を抜いて行うのがよく
筆を使用して書く時には力を込めて行うのが良いという事。

また墨はゆっくりと少しずつするのがよく
筆で字を書くには勢いよく力強くするのが良いという事。

墨をするには空腹で力が出ない餓鬼のように力を込めず
筆を使用するには強靭な体を持つ鬼のように力を込めるのが良いという事から。

• 餓鬼（がき）

常に飢えや乾きに苦しんでいる亡者。
餓鬼には《人中の餓鬼》と《餓鬼世界の餓鬼》がいるという説があり
前者は夜に起きて昼に寝るという人とは真逆の行動を取り
後者は慳貪（けんどん）や嫉妬などが原因で餓鬼世界に生まれ変わった者と言われる。

• 鬼（おに）

閻魔大王の元で地獄の亡者を苦しめる獄卒と言われている存在。
強靭な体を持ち力の強い怪物というイメージで語られる事が多いが
遠い国から来た外国人や海賊・山賊などの野蛮な不法集団を指す事もあったようです。

すまじきものはみやづかえ

他人に使われる仕事に就く事は苦労が多く
自由も束縛されたりするのでやるものではないという事。

奉公のような仕事につくと苦しい思いが多く
そのような仕事に就くくらいなら自分で商売をするなど
独立して稼ぐ仕事が良いという事から。


致すまいものは宮仕え
せまじきものは宮仕え

• すまじき

《するべきではない》や《してはいけない》などの古い言い方。

• 宮仕え（みやづかえ）

もともとは宮中や貴人などに仕えて奉公する事。
そこから転じ役所や会社に勤める意味となる。

すべりみちとおきょうははやいほうがよい

物事をとっとと済ませたほうが良いという例え。

滑りやすくぬかるんだ道は
他人よりも早く先を歩いたほうが滑りにくく
お経などは退屈で正座していると足もしびれてくるので
早く終わってくれたほうが良いという事から。


滑り道と観音経は早いほうがよい
雪道と魚の子汁はあとほどよい

• ぬかる（泥濘る）

雨や雪解けなどの影響のため地面がドロドロになっている事。

すべてのめだるにはうらがある

何事にも裏はあるのだという事。

どんなものにも裏はあるものなので
目に見えている表面ばかりではなく
見えない裏側もよく観察しなければ真実はわからないという事から。


善悪は水波のごとし
禍福はあざなえる縄のごとし

• メダル

金属の延べ板に美しいデザインをあしらった物。
記念や業績などに対して贈られる事が多いもので
硬貨はこれには含まれない。
また、メダルは丸いという決まり事はなく
過去のオリンピックでは四角いメダルもあったそうです。

すべったのころんだの

都合の悪い事を正当化するための言葉を延々と話す事。

言い訳を見苦しいほど並べ立てる事。

くだらない事を並べて言い訳をする事。


滑ったは転んだは
酢の蒟蒻の

• 言い訳（いいわけ）

そうなった理由を説明し承認させる事。
自分のした行動や過ちを正当化させようと試みる事。

すびきのせいへい/すびきのせいびょう

理屈や理論は立派だが実際には役立たずな事。

理論だけ聞くととても有能そうだが
実際の行動においては無能である事。


木馬の達人
畳の上の水練

• 素引き（すびき）

矢をつがえず弓を引き練習をする事。
野球で言うバットの素振りのようなものだそうです。

• 精兵（せいへい/せいびょう）

弓を引く力の強い事。
また、選りすぐりの優秀な兵士の事。
強弓精兵（つよゆみへいびょう）。

すのこんにゃくの

あれこれと理屈をつける事。

四の五のと言うのをふざけて言ったもの。


引くの山の
酢だの蒟蒻だの
滑ったの転んだの

• 四の五の（しのごの）

あれこれ言う事。
サイコロ賭博で目が四なら丁で五なら半となり
どちらか迷うという事から。

すのこのしたのまい

人目につかないところで周りの為に色々と尽力してくれる事。

見えないところで努力や苦労をする事。

相手の知らないところで陰ながら助力してくれる事。


椽の下の力持ち
闇の独り舞
陰の舞の奉公
椽の下の舞

• 簀子（すのこ）

簀子とは劇場の舞台の天井の事で
演者が舞台に立つ前に簀子の下で練習を一生懸命していたそうです。

すねもののにがわらい

一風変わった性格の変わり者にも上には上がいるという事。

変わり者が自分よりも変わっている人を見て苦笑いをする様子から。

• 拗ねる（すねる）

人の言う事を素直に聞けず、ひねくれた態度をとる事。

• 変わり者（かわりもの）

多くの人たちとはかけ離れたような思考や行動をする人の事。
周りの人とは違う価値観などを持っているが
逆にそれが素晴らしい結果になる事もあるので
必ずしも劣っている人とは判断できない存在。