すなはらはさんりゆけばにりもどる

砂地は何の障害物も無いのでとても歩きやすいように見えるが
足が沈んでしまったり、砂が崩れて不安定な場合もあり
とても歩きづらいのだという事。

三里歩いたつもりでいても砂地では一里くらいしか歩けていないという事から。


砂道ありく如し

• 砂原（すなはら）

砂ばかりの平地の事。
風により砂が集まってできたものが砂丘と呼ばれる。

すなのそこからたまがでる

無価値なものの中に価値あるものが紛れ込んでいる事。

どうしようもない物の中に貴重品が混ざっている事。

砂の中に宝石のように光る価値あるものが埋もれている状況から。


砂の中の黄金
珠玉の瓦礫に在る如し
藪に黄金

• 玉（たま）

宝石や真珠。
また、優れて美しいもの。

すてるこものきした

親の子に対する愛情や慈しみを言ったもの。

事情があり子供を捨てる時に雨などに濡れてしまわないよう
軒下に置いて残していく子供の無事を考えるものだという事から。

棄てていく子でも
その後の事を親は心配しているのだという事。

• 軒下（のきした）

家の外壁よりも出っ張っている屋根の部分の事。
雨宿りなどできるスペースの事。

すてるかみあればたすけるかみあり

世の中には自分を相手にしてくれない人もあれば
親切に接してくれる人もいるものだという事。

これは状況の変化により表れやすく
困ったことが起きた時に
今まで仲良くしてくれていた人が非情な態度になったり
これまであまり付き合いの無かった人が親身に助けれくれたりするという事。

環境が変化すると敵に変ずる人もいるが
それを助けてくれる人もいるものだという事で
世の中はそれほど悪い事ばかりではないという事。


棄てる神あれば拾う神あり
倒す神あれば起こす神あり
渡る世間に鬼はない
寝せる神あれば起こす神あり

すてものはひろいもの

他人が不要と思い放棄したものは
落とし物とは違い拾った人のものであるという事。

例としてゴミ捨て場に捨ててあるものは
持ち主が放棄した物であり
そこから使えるものを持って行っても犯罪にならないという事。

これが落し物や紛失物であれば
届け出ないと犯罪が成立するので注意が必要。

• 拾い物（ひろいもの）

物を拾う事。
また、予期していなかったような幸運などにも使用される。

すでもこんにゃくでも

どうにも手に負えない事の例え

一筋縄ではいかない事。

一説には酸っぱくて食べられなかったり
コンニャクには栄養がなく食べてもしょうがない
という意味からこう呼ばれるという話があります。


四も五も喰わぬ
酢でも蒟蒻でも食えぬ
煮ても焼いても喰えぬ

• 酢（す）

糖質を含む食材をアルコール発酵させたあと酢酸発酵をさせた液体調味料。
穀物や米、リンゴなどを主材料にしたものはスーパーなどでよく売られている。

すてごはよにでる

実の親に捨てられてしまい苦労をして世間を生きてきた者は
精神的に周りより優れている面が多く出世をするのだという事。

世の中の荒波にもまれた者は忍耐力があり
苦労した分だけ経験が豊富で大成するという事。


憎まれ子世に出ずる

• 棄子（すてご）

捨子とも書く。
親に育児をする余裕がないため道端や他人の家に子供を捨ててしまう事。

すていぬににぎりめし

世話をしてあげても全く無駄な事。

骨折り損な事。

捨て犬に握り飯を与えても
犬は食べて逃げていくだけなので感謝してくれないという事から。


どぶに金を捨てる

• 捨て犬（すていぬ）

飼い主の事情により飼い犬が飼育されなくなり捨てられた犬の事。
ちなみに犬に限らず愛護動物を捨てて置き去りにすると
100万以下の罰金となります。

• 握り飯（にぎりめし）

握り固めたご飯の事。
おにぎりとは握り飯の女房語で
女房語とは女官や女性使用人が使う言葉の事。

すたれものなし

どんなに役に立たないと思われる人でも
まったく役立たずな事はないという事。

どんな人でも何かしら得意な事や向いている事があり
全然役立たずな人と言うものはないのだという事。

• 廃れ者（すたれもの）

廃れるとは通用しないや使われないなどの意味で
それに人をあらわす者を付ける事で
役立たずという意味になります。

すそとってかたへつぐ

その場しのぎの応急処置の事。

本質的な部分を解決せず当座しのぎで終わらせてしまう事。

衣服の下の部分である裾の布を切り取り
肩の部分へその布を足す事で着物の調整をするという事から。

• 裾（すそ）

ジーンズなどでは足の下の部分に当たり裾を折ったりしますが
着物では一枚の布で長いと地面を擦ったりするので
裾合わせが難しいとされます。